組織を作ると、あなたのメンタルモデルが組織全体の天井になります。個人であれば自分だけの問題だったものが、組織では全員の制約になるため、原則19が最後に要求するのは技術ではなく「自分のメンタルモデルを超えていく」ことです。この記事では、その理由と、ミッション・ビジョン・バリューの作り方を解説します。
事業にはメンタルモデル克服型と超越型という2つの型があります。克服型が悪いわけではありませんが、克服型のまま組織を大きくすると、組織が自分の欠乏を埋める道具になってしまいます。
シリーズ第6章「実装と資源」の最終記事で、対象は原則19(リーダーシップと組織)です。原則16で個人の内的状態だった祈りが、原則17で場に届き、ここで組織のミッション・ビジョン・バリューとして構造化されます。
目次
- 祈りの拡張の最終段階とオーセンティック・リーダーシップ
- 自分のメンタルモデルを超えていく
- 組織を生命体として捉える視座
- ミッション・ビジョン・バリューを作る
- チームを作りリーダーの役割を果たす
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
1. 祈りの拡張の最終段階とオーセンティック・リーダーシップ
原則19の核心は、自分と仲間の祈りを設計し、自分・周り・社会・人類・世界のすべてを一貫させ、自分のメンタルモデルを超えていくことです。

| 段階 | 祈りの所在 | 形式 |
|---|---|---|
| 原則16 | コーチの内側 | 内的状態 |
| 原則17 | 場 | 非言語の伝達+願いドリブンの判断 |
| 原則19 | 組織 | ミッション・ビジョン・バリュー |
自分、周り、社会、人類、世界のすべてを一貫させるという要求は高く見えますが、同心円の構造から必然的に導かれます。自分の幸福とクライアントの幸福と社会の幸福が対立するように設計された組織は、いずれ矛盾で壊れます。原則0の「誰の幸せか」という問いが、組織のスケールで再登場したものです。
オーセンティック・リーダーシップ
オーセンティック・リーダーシップとは、リーダーの型や技術ではなく、自分自身の人生の物語(life story)と価値観に根ざしていることをリーダーシップの中核に置く考え方のことです。ビル・ジョージらが提唱しました。
| 要素 | 内容 | この体系との対応 |
|---|---|---|
| 自己認識(Self-awareness) | 自分の強み・弱み・価値観・影響を理解している | 原則5〜8(B・α・Aの特定) |
| バランスの取れた情報処理 | 自分に不利な情報も含めて客観的に扱う | 原則4(構造を見る) |
| 関係の透明性 | 自分の本当の考えや感情を適切に開示する | 「本音で話そう」というバリュー |
| 内面化された道徳的視座 | 外部の圧力ではなく、自分の価値基準で行動する | ソウルセンテンス |
リーダーシップは、自分の人生の物語から生まれます。これは原則7(ナラティブ)そのものです。

体系の構成は原則7→原則8→原則19と一直線に進んでいます。リーダーシップ論として学ぶ前に、自分の物語を統合しておく必要がある、という順序が体系の設計です。
オーセンティック・リーダーシップは組織研究で扱われていますが、測定と概念定義に議論があり(格付けでC格)、特に「真正性(authenticity)」をどう測るかは未解決です。視座として有用ですが、確立された理論としては扱わないでください。
2. 自分のメンタルモデルを超えていく
キーガンの発達段階では、自己主導型の人は自分の価値基準を持っていますが、それに「持たれて」おり、自己変容型の人だけが自分の価値基準そのものを対象化し、その限界を検討できます。
| 段階 | 出現率 | 何が subject か |
|---|---|---|
| 環境順応型 | 約59% | 他者の期待 |
| 自己主導型 | 約40% | 自分の価値基準(それを疑えない) |
| 自己変容型 | 1%未満 | — |
リーダーになると、自分のメンタルモデルが組織全体の制約になります。個人であれば自分だけの問題だったものが、組織では全員の天井になるため、原則19で「自分のメンタルモデルを超えていく」が要求されます。

システム思考の言葉で言えば、リーダー自身がそのシステムの最も強力なレバレッジポイントです。メドウズの12段階で最強の介入点はパラダイム(前提・信念)であり、組織においてそのパラダイムを規定しているのはリーダーです。ここで再帰が起き、組織論が原則0に戻ります。

自分のメンタルモデルが組織の天井になっているかどうかは、次の信号で確認できます。
| 信号 | 意味 |
|---|---|
| メンバーが、自分が言いそうなことを先回りして言う | 天井が共有されている |
| 自分が反対しそうな案が、提案段階で消えている | 天井が内面化されている |
| 「社長がそう言うなら」で議論が終わる | 天井が権威になっている |
| 自分が知らない領域で、成果が出ていない | 天井が上限になっている |
4つ目が最も見えにくく、最も重大です。
3. 組織を生命体として捉える視座
この体系は、組織論に入る前に生命科学の視点を通します。原則1の「何事も現象として捉えよ」が、ここでも貫かれています。
利己的な遺伝子という視点
リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』の視点では、個体は遺伝子が自己複製するための「乗り物(vehicle)」です。この視点を取ると「生きる意味とは」という問いへの答えが変わり、参加者からは「多様な人が生きやすい社会にするため貢献すべき」「次の世代にとって良い遺伝子を残せるように生きる」といった応答が出ます。共通しているのは、「個人の成功」から「多様性の維持と次世代への継承」へと価値の焦点が移動していることです。ドーキンスの議論は遺伝子選択説であり生物学内部でも論争があるため、また自然主義的誤謬(「遺伝子がそうだから、こう生きるべきだ」は導けない)にも注意が必要で、視点の転換の道具として使ってください。
動的平衡とスーパーシステム
動的平衡とは、生命は固定した構造物ではなく、絶えず分解と合成を繰り返しながら形を保っているという福岡伸一の概念のことです。スーパーシステムとは、免疫系のような複雑なシステムが、あらかじめ設計されているのではなく自己と非自己の境界を絶えず作り直しながら成立するという多田富雄の概念のことです。
参加者からは「『変わり続けること』が変わらない」「常に壊し作り直すことが大事」「ルールで縛りすぎない、余白のある社会」といった応答が出ており、この含意を的確に捉えています。組織を固定した構造として設計すると環境変化に対応できず、変わり続ける仕組みそのものを設計する必要があります。

エーリッヒ・フロムは、技術的に可能なことがそのまま行われるべきだという「技術の論理」を批判し、人間の成長と生の充実に資するかどうかを基準とすべきだと論じました(技術の人間化)。技術が進むほど、「何ができるか」ではなく「何のためにやるのか」という問いの重要性が上がります。
ティール組織
ティール組織とは、フレデリック・ラルーが提唱した、組織の発達段階を色で分類するモデルのことです。
| 段階 | 比喩 | 特徴 |
|---|---|---|
| レッド(衝動型) | 狼の群れ | 力による支配 |
| アンバー(順応型) | 軍隊 | 階層と規律、役割の固定 |
| オレンジ(達成型) | 機械 | 目標管理、実力主義、効率 |
| グリーン(多元型) | 家族 | 価値観の共有、権限委譲、ステークホルダー重視 |
| ティール(進化型) | 生命体 | 自主経営、全体性、存在目的 |
| # | 概念 | 内容 | この体系との対応 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自主経営(Self-management) | 上司による指示ではなく、助言プロセスに基づいて各自が意思決定する | 動的平衡の組織版 |
| 2 | 全体性(Wholeness) | 職場用の仮面ではなく、自分の全体(感情・直感・弱さを含む)を持ち込める | 「本音で話そう」 |
| 3 | 存在目的(Evolutionary Purpose) | 組織自身が持つ目的に耳を澄まし、それに従って進化する | ミッション |

ティール組織は理念として影響力を持つ一方、実装は容易ではなく実証的な効果検証も限定的です(C格)。「目指すべき唯一の正解」ではなく「組織を生命体として捉える視座」として扱うのが適切です。自主経営には高い自己分化が全員に要求される、「全体性」は心理的安全性が高い場でしか成立しない、段階論であるため「うちはまだグリーンだ」という序列化を招きやすい、といった実装の難しさがあります。発達段階モデルはしばしば優劣の序列として使われますが、キーガンの理論と同様、これは複雑さの発達であって価値の優劣ではありません。
4. ミッション・ビジョン・バリューを作る
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは、組織の日々の活動・未来像・判断基準を言語化したもののことです。ナラティブと運命を、ビジョンとミッションに変えることが、原則19の実務的な中心作業です。
| 項目 | 定義 | 実例 |
|---|---|---|
| ミッション | 日々何をするのか(現在形の活動の定義) | 意志を語り、つながりをひらき、未来を描く、本音のセッションの場をつくる |
| ビジョン | いつまでに、どんな状態を作るのか(期限と数値を含む未来像) | 2026年までに、100万人の次世代を支える、つながりのインフラをつくる |
| バリュー | どう振る舞うのか(判断に迷ったときの行動基準) | 本音で話そう/自分を超えていこう/すべてを繋げて考えよう/未来ベースで考えよう |

ビジョンに期限と数値が入っている点に注目してください。「2026年までに、100万人」は検証可能な形になっています。この実例のバリューは、体系の思想そのものの要約になっています。
| バリュー | 対応する原則 |
|---|---|
| 本音で話そう | 原則1・10 |
| 自分を超えていこう | 原則0のキーガン |
| すべてを繋げて考えよう | 原則9-Aのシステム思考 |
| 未来ベースで考えよう | 原則4のU理論(出現しつつある未来から学ぶ) |
これは偶然ではありません。バリューはその組織が何を大切にするかの表明であり、リーダーの物語(原則7)と構造(原則8)から導かれます。個人の物語のままでは他人は入れませんが、MVVという形式はその物語を共有可能な公共財に変える装置です。原則8で参照したアーレントの「活動(action)」——複数の人間の間で行われ、そこで初めて「その人が誰であるか」が現れる営み——が、ここで具体的な形をとります。

| 順序 | 作業 |
|---|---|
| 1 | 原則7:自分の物語を統合する(憧れ×痛み→主題) |
| 2 | 原則8:B→α→A→Dを明示化する |
| 3 | 原則15:意義の5層で位置づける |
| 4 | Aをミッション(現在形)に変換 |
| 5 | Dをビジョン(期限+数値)に変換 |
| 6 | 判断基準をバリューとして4つ程度に抽出 |
1〜3を飛ばして4から始めると、借り物の言葉になります。借り物の言葉は状態が伴わず、伝わりません。
克服型と超越型
事業には、自分の痛み・欠乏を埋めるために行うメンタルモデル克服型と、痛みを扱い終えた上でより大きな目的のために行う超越型という2つの型があります。
痛み(B)はエネルギーの源泉であり、それが企画(D)を駆動するため、多くの優れた事業が克服型から始まっています。克服型が悪いわけではなく、痛みがなければそもそも動機がありません。
問題は、克服型のまま組織を大きくすると、組織が自分の欠乏を埋める道具になることです。

具体的な症状として、メンバーの成果より自分への評価が気になる、批判に過剰に反応する、自分より優秀な人を採用できない、権限を手放せない、「わかってくれない」という不満が繰り返される、といったものがあります。だからこそ原則9-B(ACT)と原則10(セルフ・コンパッション)で痛みを扱う工程が、リーダーシップの前提として必要になります。

自分の谷底を通っていないコーチは相手の谷底で怖くなる、という原則5の一文が、組織版では「自分の痛みを扱っていないリーダーは、メンバーの痛みを扱えません」となります。お金儲けは悪ではなく、目的ではなく手段として、そしてビジョンに従属する限りにおいて必要不可欠です(原則14)。判定基準は、お金が目的の位置に来ていないかどうかです。
5. チームを作りリーダーの役割を果たす
採用で重視するのは、ビジョンと成長可能性です。スキルは後から獲得できますが、ビジョンへの共鳴は後から作れません。原則15のコルブの経験学習サイクル(経験そのものではなく内省と概念化が学習を生む)を踏まえ、「失敗と成功の両方から学ぶこと」も併せて見ます。
チームは荒れることが当たり前
タックマンモデルとは、ブルース・タックマンが提唱した、チームが形成期→混乱期→統一期→機能期という段階を経て発達するというモデルのことです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 形成期(Forming) | 様子見。表面的に穏やか。まだチームではない |
| 混乱期(Storming) | 意見の対立、感情のぶつかり合い。避けられない、かつ必要な段階 |
| 統一期(Norming) | 共通のルールと役割が定まる |
| 機能期(Performing) | 成果が出る。自律的に動く |
| (散会期/Adjourning) | 解散・移行 |

このモデルの実務的価値は、「混乱期は失敗ではない」と分かることにあります。多くのリーダーが混乱期を「チーム作りに失敗した」と誤認し、対立を抑え込んでしまいますが、抑え込むと統一期に進めず表面的な形成期に戻ります。これは原則9-Bの創造的絶望や、原則4のU理論(降りなければ、上がれない)と同じ構造です。タックマンモデルは広く使われていますが実証的な検証は限定的であり(C格)、「混乱は失敗ではない」という認識の道具として使ってください。
リーダーの5つの役割
| # | 役割 | 内容 | 対応する原則 |
|---|---|---|---|
| 1 | 描く・示す | ビジョンを言語化し、繰り返し示す | 原則7・8・12 |
| 2 | 座る | 動じずにそこにいる | 原則16の「一切合わせない」の組織版 |
| 3 | つなぐ(内) | メンバー同士をつなぐ | 原則17 |
| 4 | つなぐ(内と外) | 組織と外部をつなぐ | 原則13の弱い紐帯 |
| 5 | 任せる・見守る | 手放す | 原則6.5(自己効力感の設計) |
2の「座る」——動じずにそこにいる——が、この体系の全技術の到達点です。

組織が混乱期にあるとき、リーダーが動じるかどうかが通り抜けられるかを決めます。動揺は非言語で伝わり、「大丈夫」と言葉で言っても呼吸が浅ければ伝わります。「座る」は精神論ではなく、姿勢と呼吸とイメージの保持という技術です。
5の「任せる・見守る」は単なる放任ではなく、原則6.5の自己効力感の観点では、確実に成功する範囲から任せ、難易度を段階的に上げ、プロセスで介入できる余地を残す「設計された委任」です。手放せない場合は、権限を手放せないのが能力の問題ではなく承認への依存であることを疑ってください。
今日から試せること
- 自分のバリューを4つ書く:「判断に迷ったときの行動基準」として書き、それが自分の物語(原則7)から来ているかを確認してください。借り物の言葉なら伝わりません。
- 克服型か超越型かを自問する:「この事業をやっているのは、誰に認められるためか」と問い、答えが出てくるなら克服型の成分があります。悪いことではなく、自覚があるかどうかが分かれ目です。
- 「自分が知らない領域で、成果が出ているか」を確認する:出ていないなら、あなたのメンタルモデルが天井になっている可能性があります。
6. よくある質問
組織を作る予定はありません
原則19を「起業」と読み替えないでください。要点は「自分と仲間の祈りを設計する」ことであり、規模は問いません。2人でも組織です。原則8で見たアーレントの「活動」の要件も、規模ではなく「複数の人間の間で、言葉と行為を通じて行われる」ことです。最後の一行「自分のメンタルモデルを超えていく」は、組織の有無に関わらず適用されます。
克服型であることが分かりました。どうすればいいですか
まず、それを自覚できたこと自体が大きな前進です。克服型をやめる必要はありません。痛みはエネルギーの源泉です。必要なのは、痛みを扱う工程を並行して進めることで、原則10のセルフコンパッション、原則9-Bの脱フュージョン、原則5・5.5での承認欲求の原体験を辿る作業が有効です。判定基準は、メンバーの成果を自分への評価と切り離して喜べるかどうかです。
ティール組織を目指すべきですか
「目指すべき唯一の正解」ではありません(第3節)。段階論を序列として使わないでください。「うちはまだグリーンだ」という使い方は、キーガンの理論と同様、複雑さの発達を価値の優劣と混同しています。有用な使い方は「組織を生命体として捉える」という視座としてで、特に「変わり続ける仕組みそのものを設計する」という発想は実務的に価値があります。
チームが対立ばかりです
タックマンモデルの混乱期にある可能性があります(第5節)。以前は表面的に穏やかだったか、対立が個人攻撃ではなく方針や優先順位についてか、を確認してください。両方Yesなら正常な進行です。抑え込まないでください。リーダーがすべきことは「座る」ことで、対立を「解決」しようとするより、共通のルールと役割が定まるまで伴走します。両方Noなら別の問題で、特に個人攻撃が起きている場合は心理的安全性の問題として扱ってください。
MVVを作っても、形骸化します
3つの原因があります。借り物の言葉——第4節の順序(原則7→8→15→MVV)を飛ばしていないか。検証可能でない——ビジョンに期限と数値が入っているか。「業界No.1」では検証できません。日々の判断に使われていない——バリューは「判断に迷ったときの行動基準」で、実際に迷ったとき参照しているかを確認します。対処として、会議で判断が割れたとき「バリューのどれに照らすと、どうなりますか」と実際に問うと、使われないバリューが飾りになることを防げます。
「自分のメンタルモデルを超える」とは、具体的に何をすることですか
キーガンの言葉では、subjectをobjectにすることです。具体的な手順は、自分が絶対に譲れないと思っていることを書き出し、それぞれについて「なぜそう思うのか」を辿り(原則5の下降)、「もしそれが真でなかったら、何が起きるか」を検討し、実際にそれに反する選択を一度だけ試す(原則9-Aの思い切った行動)、という4段階です。4が要点で、思い込みは説得では変わらず、行動の結果によってしか変わりません。原則0のITC(免疫マップ)が、この作業を構造化する道具になります。
リーダーが「座る」ためには、何が必要ですか
技術です。精神論ではありません。姿勢と呼吸を保つこと(原則2・3)、イメージを長時間保持すること(原則12)、相手を含めるが一切合わせないこと(原則16)、崩れたら戻す手順を持つこと、そして自分の痛みを扱い終えていること(原則9-B・10)が必要です。最後が土台で、未処理の痛みがあると、それに触れる出来事で必ず崩れます。コーチ自身の幸福が支援の質を左右する土台であるように、組織版ではリーダー自身の状態が組織全体の状態を規定します。
7. まとめ
- 祈りの拡張の最終段階は、個人の内的状態→場→組織のMVVです。
- オーセンティック・リーダーシップでは、リーダーシップは自分の人生の物語から生まれます(原則7そのもの)。
- リーダーになると、自分のメンタルモデルが組織全体の天井になります。リーダー自身が最も強力なレバレッジポイントであり、組織論は原則0に戻ります。
- 組織を現象として捉え、生命科学の視座を通します。動的平衡では「変わり続けること」が変わらないという逆説が核心です。
- ティール組織は視座として有用ですが、実装は容易でなく検証も限定的です。段階論を序列にしないでください。
- MVVは、ミッション=日々何をするか、ビジョン=いつまでに何を作るか、バリュー=どう振る舞うか、という定義で、個人の物語を共有可能な公共財に変える装置です。
- 克服型と超越型があり、克服型が悪いのではなく、克服型のまま拡大すると組織が欠乏を埋める道具になります。だから痛みを扱う工程がリーダーシップの前提です。
- 採用はビジョンへの共鳴と成長可能性を見ます。混乱期は失敗ではなく、通り抜けなければ次に行けません。
- リーダーの5役割のうち「座る」が全技術の到達点であり、精神論ではなく技術です。
8. 参考文献
- George, B. (2003). Authentic Leadership. Jossey-Bass.
- Walumbwa, F. O. et al. (2008). Authentic Leadership: Development and Validation of a Theory-Based Measure. Journal of Management.
- Kegan, R. (1994). In Over Our Heads. Harvard University Press.
- Dawkins, R. (1976). The Selfish Gene. Oxford University Press.
- 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書(動的平衡)
- 多田富雄『免疫の意味論』青土社(スーパーシステム)
- Fromm, E. (1968). The Revolution of Hope.
- Laloux, F. (2014). Reinventing Organizations.(邦訳『ティール組織』英治出版)
- Tuckman, B. W. (1965). Developmental sequence in small groups. Psychological Bulletin, 63(6).
- Senge, P. M. (1990). The Fifth Discipline. Doubleday.
- Arendt, H. (1958). The Human Condition. University of Chicago Press.
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